溶連菌潜伏期間

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溶連菌潜伏期間

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溶連菌の潜伏期間 はどのくらい?感染の期間やルートまで解説

公開日
更新日

 
執筆:青井 梨花(助産師、看護師)
医療監修:株式会社 とらうべ
 
 
溶連菌の潜伏期間 についてご存知ですか?
感染するとさまざまな症状がみられることがある溶連菌感染症。感染の拡大を防ぐ具体的対策は、「 溶連菌の潜伏期間 」および感染期間、感染ルートを知ることです。
 
この記事では、まず溶連菌全般について説明し、続いて溶連菌感染症にかかった後の登校・登園のタイミングも含め、潜伏期間、感染期間に関連したトピックについて詳しく説明します。
 
 

そもそも溶連菌とは?

 
一般に「溶連菌」といわれている病気は、正式には「A群溶血性レンサ球菌 」という細菌による感染症のひとつです。
 
溶連菌は、溶血性レンサ球菌の略称です。A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)は、赤血球を壊す毒素を作る細菌で、しばしば喉や皮膚に存在しますが、何の症状もなく、共存する場合もあります。
 
この記事で取り上げる通常の溶連菌感染症(A群溶血性連鎖球菌咽頭炎など)は、日本を含め世界的にみられる感染症です。米国では、このA群溶血性連鎖球菌咽頭炎と溶連菌に感染して起こる皮膚の病気である「とびひ」は、年間数百万発生していると推定されています。
 
国立感染症研究所が行っている全国3000ケ所の定点調査対象の小児科からの報告結果によれば、患者数の増減には以下のような傾向があります。
 

  • ・小中高や幼稚園等学校の春休みが終了した時期に増加。
  • ・ゴールデンウイーク中に一旦減るものの、再び増加し、春から夏にかけて患者数はピークに達する。

 
 

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溶連菌感染症の様々な症状

 
溶連菌感染症は、細菌の侵入する部位によって、いろいろな症状を引き起こします。
 
おもな症状は、のどや扁桃腺の炎症で、突然の38℃以上の発熱、全身のだるさ、のどの腫れや痛みがみられます。また小児では、しばしば嘔吐もみられ、一見すると、風邪やインフルエンザの症状に似ています。また、溶連菌が皮膚に感染すると発疹が生じます。
 
実際の発疹の現れ方の程度は様々で、発疹がかなり目立つ場合もあれば、のどの痛みは強いが、発疹はほとんど現れないケースもあります。
 
以下に、溶連菌感染症の特徴的な症状をご紹介します。
 

  • ・舌の表面がイチゴのように真っ赤にブツブツと目立ち違和感をもつイチゴ舌。(痛みはない)なおイチゴ舌の症状は、川崎病など他の病気でも生じることがあるので、医師の鑑別が必要です。
  • ・手足や鼠蹊(ソケイ)部、わきの下などから全身にかけてかゆみを伴うザラザラした手触りの小さな紅い発疹がでる猩紅熱。発疹はかゆみを伴うこともあり、また口の周りは蒼白く見えることがあります。
  • ・熱が下がった後に手足の皮膚がむける膜様落屑。むけた後の皮膚は赤く変色することがあります。

 

溶連菌が皮膚に感染して生じる症状

 
溶連菌が皮膚に感染した場合、厚い痂皮(かさぶた)を特徴とした伝染性膿痂疹(いわゆる「とびひ 」のひとつ)を起こすこともあります。とびひは、皮膚をかきむしると、水疱(水ぶくれが)が短期間で全身に広がる病気で、溶連菌や黄色ブドウ球菌が原因となります。(飛び火するかのごとく、短時間で水疱が広がるので、「とびひ」という名前になったそうです)
 
皮膚についた傷や湿疹から黄色ブドウ球菌、溶連菌等の細菌がはいり、皮膚の奥深くまで感染した状態を丹毒といいます。丹毒になると、悪寒、発熱に加え、皮膚に痛みや熱っぽさを感じます。
 
なお、皮膚は、大まかにいうと表皮、真皮、皮下組織の3つに分かれますが、丹毒の場合、真皮部分に感染が進んだことになります。
 
溶連菌等の細菌に感染し、皮下で炎症を生じリンパ管にまで及んだものをリンパ管炎といいます。リンパ管の流れとともに紅斑が広がっていきます。症状としては、熱っぽさや痛み、悪寒、発熱、吐き気などです。
 

溶連菌の合併症

 
溶連菌で注意が必要なのは、治療後にリウマチ熱や急性糸球体腎炎 といった合併症を引き起こすことです。
 
リウマチ熱は、溶連菌による咽頭炎や扁桃炎の治療後、2~3週間してから突然高熱を発します。子どもに多くみられる病気です。関節痛を伴うケースや心炎を起こすケースもあり注意が必要です。原因は、溶連菌への免疫力が関節や心臓に影響をあたえるためと考えられています。
 
急性糸球体腎炎は、溶連菌感染後約10日後に、血尿・蛋白尿、高血圧等、尿量減少、むくみ等の症状がでます。
 
上述のような病気を併発しない為には、治療のために処方された抗生剤については、菌が消失するまでかならず医師の指示通り処方された日数分を飲みきることが大切です。
 
血管性紫斑病は、皮膚を強くぶつけていないのに、内出血のような紫斑がみられたり、関節痛や腹痛や嘔吐などが出現する病気です。
 
 

溶連菌が関係するその他の病気

 
因みに、この記事のメイントピックではありませんが、マスコミに「人食いバクテリア」として取り上げられることもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」も、他の溶連菌感染症と同様に、A群溶血性レンサ球菌が病原体となる病気です。
 
この劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、突然発症し、四肢の痛み、血圧低下、発熱を起こし、数十時間内には、軟部組織壊死や多臓器不全等を起こします。壊死のスピードが極めて速く、致死率は3割です。
 
1987年に米国で症例が確認されて以来、日本では、1992年に初めての症例が報告され、毎年100~200人程度が発症しています。患者は、年齢、性別にかかわらず広範囲にわたります。
 
A群溶血性レンサ球菌は抗生物質の効果があるため、先進諸国では、この細菌が人体に大きな被害をもたらすことはないと考えられてきましたが、近年症例が数多く報告されるようになっています。この患者数増加の原因や、感染経路は、まだはっきりしていません。
 
 

溶連菌が感染するのはいつ?

 
ここまで説明してきたように、感染すると様々な症状が出る溶連菌ですが、感染力があるのはいったいどの時期になるのでしょうか?
 
溶連菌感染症には潜伏期間があり、感染してから約2~5日ほど無症状で経過した後、症状が出てきます。この潜伏期間中、すでに感染性があるのかは、実は今のところわかっていません。
 
感染力がもっとも強いのは、潜伏期間の後、発症して高熱などの症状が出はじめた急性期で、その後、徐々に弱まってくるといわれています。
 
とくに急性期においては、家庭で密接に過ごす兄弟間での感染確率は25%ともっとも高いという報告があります。もちろん、大人へ感染することもあります。
 
溶連菌感染症と診断されると抗生剤が処方されますが、内服から24時間ほどすると、他の人への感染を防げる程度まで感染力は弱まってきます。
 
とびひ(伝染性膿痂疹)の潜伏期間は2~10日ほど、もっと長期の場合もあります。痂皮(かさぶた)にも溶連菌が存在するので、痂皮がなくなるまで他の人への感染の注意は必要になります。
 
 

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溶連菌の感染ルートと予防対策

 
溶連菌は、くしゃみ、咳などによる飛沫感染、そして溶連菌のついた手で、自分の口・鼻・目などをさわることで体内に侵入することによる接触感染によって、ヒトからヒトへ感染します。
 
先にお伝えしたように、集団生活をしている幼児や児童が感染しやすいといわれていますが、免疫力が下がっている大人や妊婦に感染することがあります。
また、家庭で一緒に遊んだり密接に過ごす兄弟間での感染率も高いともいわれています。
 
まだ発病していない人に予防的に抗生剤を飲ませるということは、基本的には推奨されていないそうです(地域などにおける集団発生などの特殊な状況下では、感染拡大の防止のために、溶連菌感染者と接触した人の咽頭培養をおこなって、陽性であれば治療を行う場合もあります。)。
 
従って、家族間での感染をいかに防ぐか、対応のポイントを知っておくと安心ですね。
 

家族間での感染を防ぐポイント

・通常、溶連菌の症状に咳やくしゃみの症状はみられません。なので子どもを世話する場合など、家族間では密に接する機会が多いでしょうから、溶連菌にかかった人はもちろん、予防的に家族それぞれマスクを活用するとよいでしょう。
 
・家族間のタオル、コップなど食器の共用は避けましょう。
 
・液体石けんを用いてまめに流水で手洗い、うがいを心がけましょう。
 
・とびひ(伝染性膿痂疹)では、病巣が露出していると、他の人へ接触感染をおこす可能性がありますから、患部を適切に覆い、保護します。予防のためには、皮膚を清潔に保つことが必要で、子どもでは虫さされやあせもなどのかきこわしやアトピー性皮膚炎などがきっかけとなることがありますので、ひっかき傷をつくらないよう普段から爪を短く切っておくなどしましょう。
 
なお、溶連菌感染症に対するワクチン は今のところなく、現在研究開発中です。
 
 

登園・登校のタイミング

 
溶連菌感染症にかかった後の登校・登園のタイミングはいつでしょうか?
 
登校に関しては、文科省「学校保健安全法」において「適切な抗生剤治療開始後24時間以降、登校は可能」としています。
登園に関しては、厚労省「保育所における感染症対策ガイドライン2012年改訂版」において「登園目安として抗生剤内服後24~48時間経過していること」と示しています。
 
これはどちらも、抗生剤を飲み始めると、24時間ほどで菌が抑えられ、感染力がほぼなくなるとされていることからです。そして、かつ熱が下がってから丸1日経過するまでは、園や学校をお休みするのが一般的な扱いです。感染を拡大させないためにぜひ守りましょう。
 
登園・登校時は、インフルエンザなどと違って、基本的には医師による治癒証明書は必要ないとされていますが、とくに園によっては独自のルールがある場合もありますから、確認しましょう。
 
とびひ(伝染性膿痂疹)については、とくに出席停止の必要はありませんが、患部が感染源になりますから包帯等で覆うなどして、接触感染を防ぎます。
 
 

溶連菌の検査と治療

 
これまで見てきたように、一般的によくみられる発熱・全身倦怠感・のどの痛みなどの溶連菌の症状は、一見すると風邪やインフルエンザの症状に似ています。
しかし、合併症の懸念がある以上、上記のような症状がみられたら必ず受診するべきでしょう。
 
 
<検査>
受診したら、学校や幼稚園・保育園など集団・地域での流行状況を踏まえながら、上記の症状について、視診や聴診などの診察がなされます。
確定診断としては、喉の粘膜を綿棒でこすり、菌を採取して検査します。検査キットを用いれば10分ほどで迅速診断できます。
 
 
<治療>
基本的には、抗生剤がよく効くので、内服薬が処方され、抗生剤の種類によって、処方の日数がかわります。
内服し始めると2~3日で下熱し、軽快するので「もう薬は飲まなくていいかな?」と思いがちです。しかし先にお話したとおり、腎炎などの合併症予防のために、抗生剤は医師の指示通り処方された量を飲み切ることが重要です。

 

合併症については、糸球体腎炎にかかっていないかを確認するため、症状が落ち着いてからおよそ2週目と3~4週間後に尿検査を行います。
 
皮膚に発疹が出た場合、抗生剤を飲み始めれば菌が減少してくるとともに発疹も治まってくるため、基本的には軟膏などの外用薬の処方はありません。
ただ、かゆみが強いときなどは、抑える効果のある「抗ヒスタミン薬」などの内服薬が一緒に処方されることがあります。
 
抗生剤は、“飲みはじめると24時間ほどで菌が抑えられ感染力がほぼなくなる”とされています。
登園・登校の目安としては、抗生剤内服後24~48時間経過していること、かつ熱が下がってから丸1日経過するまでは幼稚園や保育園、学校をお休みするのが一般的な扱いです。
 
 

家庭における対応のポイントとは?

 

食事・水分


のどの症状がかなりつらく、つばを飲み込むのにも痛みを伴うこともあります。
 
「熱い」「冷たすぎる」「からい」「すっぱい」といった食べものや飲みものは、のどにとって大変な負担となります。食事や水分はなるべくのどに刺激が少なく、消化のよいものにしましょう。
 
たとえば、ゼリーやヨーグルト、プリン、茶碗蒸しやおかゆ・雑炊(よく冷ましてから)、豆腐などは、のどごしもよく、食べやすいと思います。
のどがつらいと食事もままならないこともあるかもしれませんが、脱水症状が心配です。予防のため、水分は少量ずつでも頻回に積極的に摂るよう心がけます。
 
 

入浴


下熱すれば、入浴は差し支えありません。
 
 

家族間の感染予防


溶連菌は幼児や児童が感染しやすいだけでなく、免疫力が落ちている大人、妊婦でも感染することがあります。
また、兄弟間での感染率が高まるという報告もあります。
 
まだ発病していない人に対して、予防的に抗生剤を飲ませるということは、基本推奨されていません。
家族間での感染をいかに防ぐか、対策が必要です。

 
溶連菌の感染経路は、飛沫感染や接触感染です。
マスクをする、家族間でのタオルやコップなど食器の共用は避ける、手洗いやうがいをまめにする、といった点をポイントに対応するとよいでしょう。
 
 

まとめ

 
ここまで説明した内容のポイントを以下に記載しましたので、ご参考にしていただけば幸いです。
 

  • ■一般に溶連菌と呼ばれている病気は、A群溶血性レンサ球菌 という細菌の感染症。
  • ■A群溶血性レンサ球菌は赤血球を壊す毒素を作る。
  • ■通常の溶連菌感染症は、春から夏にかけて流行する傾向がある。
  • ■溶連菌感染症の症状としては、発熱、だるさ、喉の腫れや痛み、イチゴ舌、発疹がある。
  • ■溶連菌に感染して起こる病気として、猩紅熱、丹毒、とびひ、リンパ管炎などがある。
  • ■A群溶血性レンサ球菌が原因で起こる病気としては、劇症型溶血性レンサ球菌感染症があり、その致死率の高さと症状進行の速さから、人食いバクテリアと称されることもある。
  • ■溶連菌の菌を抗生物質で消失させないと、リウマチ熱、急性糸球体腎炎を併発することがある。
  • ■溶連菌感染症の潜伏期間は2~5日。伝染性膿痂疹(とびひ)の場合は2~10日ほど、もっと長期の場合もある。
  • ■潜伏期間中、すでに感染性があるのかは、今のところ不明である。
  • ■溶連菌の感染力がもっとも強いのは、発症して高熱など出はじめた急性期で、その後徐々に弱まってくる。抗生剤内服治療が始まって24時間ほどで、他者への感染が防げる程度にまで、感染力は弱まる。
  • ■溶連菌感染症の感染経路は、飛沫感染と接触感染である。とくに集団生活や家族間における予防対策としては、マスクの着用、手洗い・うがいの励行、タオルや食器類の共用はさけること等である。
  • ■登校・登園の目安は、抗生剤服用後、少なくとも24時間経過していることである。且つ、下熱後丸1日経過するまではお休みするのが一般的である。

 
 

<執筆者プロフィール>
青井 梨花(あおい・りか)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー
株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験があるベテラン助産師。
現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。プライベートでは一児の母。
 
 
<監修者プロフィール>
株式会社とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 
 

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